合同会社 S・T ファームビレッジ代表。

今までは兼業農家として、ご先祖から受け継いだ田んぼで代々お米の栽培をしてきました。

「さくら米」などの有機栽培を始めるきっかけとなったのは、現在世界中を悩ませている新型コロナウィルスのパンデミックです。

昨年の緊急事態宣言によって、世の中は大きく変化しました。私の事業も業績が伸び悩み、今一度自分自身を見つめ直すことになりました。

そんな時期を過ごす中で、私に気付きを与えてくれたのが農業です。

私の家には代々受け継いできた田んぼと畑があります。田んぼは父と共に毎年作付けしてきましたが、畑は放置し荒れてしまっていました。緊急事態宣中どこにも行くことができなかったので、家族でその畑に行くことを決めました。

そこで気付かされたことは、現代の農業が犯している過ちです。スーパーに行けば虫一ついない綺麗で形のそろった野菜や、真っ白で綺麗なお米が手に入ります。自分で農業を経験すると、スーパーに並ぶ商品には大量の農薬や肥料が使われていることがよく理解できます。そして、農作物に含まれる栄養は戦前の10分の1ほどしかありません。いったい今食べているものは何なのだろうかと疑問を覚えました。

また、農薬を大量に使うと土自身の力が衰えていくことになります。本来は農業も自然の循環の中にあるものです。自然と共に生き、自然の力を活かすことが農業という営みの中心にあるべきです。

いつの時代も人は自然と共に生きていかなければなりません。そんな想いで米作りに取り組むなかで、「さくら米」は誕生しました。